「ねぇ看護師さん、ちょっとお話したいことがあるんだけど…」
「ちょっと今時間とれないから後でもいいですか?」
こんな返答をしている自分に「私ってなんのために看護師になったんだろう」と自問することはありませんか?
忙しさのあまり看護が機械的な作業になってしまい、本来自分がやりたかった看護ができていない。そういう看護師も多いことでしょう。
びび
僕は今病院勤務を辞め、訪問看護で働いているのですが、病院ではできなかった「看護」を行えているという自負があります。皆さんも今向き合っている「看護」に疑問をお持ちであれば1度、訪問看護への転職を考えてみてはいかがでしょうか?
この記事では
- 訪問看護への転職をおすすめする理由
- 訪問看護に向いている人とは
- 訪問看護転職時の注意点
- 訪問看護師への転職方法
などを解説していきます。もし訪問看護に興味のある方はぜひ読み進めていただければと思います。
びび
病院以外で働きたい人に訪問看護への転職をおすすめする理由
病院以外で働きたいという看護師は非常に多くなってきていて、その中でも訪問看護は人気・需要共に高い職業です。需要や人気の高さの理由はこちらで触れています。
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「これからは病院以外で働く看護師しか必要ないってマジですか?」
ではまず訪問看護をおすすめする理由からお伝えしていきたいと思います!
やりたい看護ができる!
冒頭でも書きましたが、病院は忙しすぎて看護が機械的になってしまっていることが多い気がします。
看護学生の時って一番長い時間をかけて患者さんに寄り添うための技術や必要性を学ぶじゃないですか?ところがその学びを活かせない現場が病院だったんです。
びび
おそらくできなかったのは僕の力量不足が理由でしょう。ですが僕はそれに嫌気がさしてしまったので病院以外で働くことを決めました。結果的には正解だったと思ってます。
なぜなら「話聞いてほしいんだけど」という利用者に、「ちょっと待ってもらえますか」と言わず話を聴いてあげられる訪問看護という環境は僕が一番望んだ看護だったからです。
びび
ぼっち好きにぴったり!
個人的な話になってしまうんですが、僕は基本ぼっちが好きなんです。なのであんまり人と関わって仕事するの好きじゃないんですよね。
病院以外で働きたい人って、僕のように「煩わしい人間関係で消耗したくない」という看護師が多いのではないでしょうか。そういう意味でも基本1人行動の訪問看護はおすすめです!
はぴこ
びび
もちろん全く人と関わらないってことはできませんけどね。でもストレスにならない程度なんで助かってます!
男性看護師にもおすすめ!
僕は男なんですけど、それが理由で女性患者さんにケアを断られることが病院時代はわりとありました。
そんなのは別にいいんですけど、結構苦痛なのが断られたケアを同僚看護師にお願いしなきゃいけないところなんですよ。(詳しい話は「男性看護師のメリット・デメリット」で書いています。)
訪問看護であれば「男性はちょっと…」という利用者さんは契約時に確認できるので、それを考慮したスケジュールが組めるんですよね。
はぴこ
びび
長々書いちゃいましたが、病院以外で働く場合、訪問看護への転職をおすすめする理由は
- 病院で出来なかった看護ができる
- 病院勤務時のような人間関係で消耗せずにすむ
- 男性看護師にも居場所がある
等々です。もし該当する人がいたら転職時の候補にいれてみてください!
訪問看護への転職に向いている人
訪問看護に限ったことではないですが、「病院」と「病院以外」で働く場合では看護の性質や仕事の特徴が変わってきます。
訪問看護で働く場合、どんな人が向いているのかまとめてみたいと思います。
利用者との関係性を構築できる
まず大事なのが「利用者と関係性」だと思います。病院での勤務に慣れてると、どうしても指導的態度になりがちです。
そのため、病院で働いている感覚で業務にあたると利用者さんに受け入れられなかったり、トラブルになる可能性もあるわけです。
だからと言って、利用者さんの受け入れをよくするために利用者さんに合わせ、希望もすべて受け入れるということは必要ありません。
びび
はぴこ
びび
例えば治療に必要な薬を内服してほしいけど拒否される場合、第一声で
「医師の指示なので絶対飲んでくださいね!飲まないと治りませんよ!」
と言ってしまったら終わりですw それで内服してくれればいいですが、
患者
となった場合、目的への道が絶たれてしまいます。 この場面がファーストコンタクトの場合は、より慎重に関わることが必要です。
ここでは一旦利用者の思いを汲み、「飲みたくないんですね…」と共感してあげる(ふところに入る)のがおすすめです。結局、無理矢理飲ませるわけにはいかないし、どちらにしても内服できないなら気持ちの距離を縮める策を講じた方が得ですからね。
大事なのは利用者との距離をいち早く詰めることです。
医師の指示を遂行したいばかりに焦ってしまい、結果「もう来なくていい!」と言われてしまっては、訪問できる利用者さんが減る可能性があり、代替スタッフがカバーしなくてはなりません。
また利用者さんがサービスを辞めたいといえば、売り上げが減るわけですから会社にも迷惑がかかってしまいますよね。
びび
はぴこ
訪問看護に向いている看護師は知識や技術云々ではなく、利用者さんのパーソナリティーを見抜く力や、関係性を築いていくコミュニケーション能力に長けている人と言えるでしょう。
利用者さんや家族との関係性が構築できていなければ、なにをやってもうまくいきません。
びび
コスト意識を持てる
経営母体が大きい会社であれば余裕があるかもしれませんが、立ち上がったばかりのステーションや、資金が少ないステーションは極力コストをおさえて運営したいところです。
はぴこ
びび
会社側としてはスタッフ全員がコスト意識をもって仕事をすることは売り上げに直結していくので、そういう意識の高い人材を求めています。
となると「コスト意識をもてる」ということが訪問看護師に向いてるということになるわけです。
一つのステーションの従業員はそれほど多いわけではないと思うので、売り上げを伸ばそうと思ったらスタッフ一人一人の意識の持ち方は非常に重要です。
- 衛生材料の使用料を必要最小限にする
- 空き時間にケアマネや医療機関のあいさつまわりをする
このような細かなことでも、積み重ねることで会社の利益につながる可能性がありますからね。同時に、会社側としてもスタッフに数字を意識させるという教育は必要なのではないかと思います。
訪問看護に転職する時の注意点
訪問看護で働くことを考える際、いくつか注意すべきことがあります。転職してから「知らなかったぁ…」とならないためにもここで確認しておくことをおすすめします。
オンコール
訪問看護に興味を持っても、その一歩を躊躇させてしまうのがこの「オンコール」ではないでしょうか。実際に僕もオンコールは経験していますが、思ったよりしんどいです。
オンコール体制は訪問看護で必須ではないため、訪問看護への転職を考える場合、
- オンコールがあるところで働くのか
- オンコールなしのところで働くのか
を明確にしておきましょう。どうしても夜間の出動な困難な場合は、オンコールなしのステーションへ転職することをおすすめします。
オンコールを担う場合は
- ステーションごとのルールの確認
- オンコールを担っている人数
- オンコールを任されるタイミング
- 生活への影響
などを確認し、慎重に引き受けることが重要です。
ステーションごとのルールの確認
オンコールのルールはステーションによって違います。
- オンコールの交代サイクルはどのようにしているのか
(日替わり、1週間毎etc…) - コールが重なった際のサポート体制はどうなっているのか
等が自分のライフスタイルに合うかどうかを確認しておきましょう。
オンコールを担っている人数
オンコールを担っている人数がが少ないステーションは要注意です。
単純に考えてオンコールを担っている人数が少なければ自分に回ってくる回数が多くなるということは容易に想像できますよね?オンコールを持つのであればオンコールを持てるスタッフが多いステーションを選択する方が賢明です。
今現在落ち着いているとしても数日後にはオンコールがバンバン鳴るという状況になることもありえるわけです。
びび
オンコールを任されるタイミング
入職してすぐにオンコールを依頼してくるステーションがあったとしたら、それも要注意です。
オンコールは基本的に一人で対応しなければならないので、利用者の情報や訪問看護のノウハウがわからない状況でオンコールを持つことは非常に危険です。
びび
はぴこ
生活への影響
持ってみるとわかるんですが、オンコールは結構しんどいです。鳴る時は鳴るので深夜に2件対応して次の日も日勤なんてこともありました。
また、出動がなくてもいつ電話が鳴るかわからないので遠出はできないというのが地味に痛いです。オンコール当番の時は基本家で待機するか近場のみの外出にしていました。
びび
はぴこ
このように生活への影響はわりと多いですし、精神的な負担が大きいです。そのため当番を担う場合には慎重に判断するようにしてください。
オンコールを担うのであれば必ず読んでおいてほしい記事があります。よかったら一度目を通してみてください。
サポート
訪問看護は病院のプリセプターシップのように、マンツーマンでサポートできるほどの人員・教育システムを導入できていないところが多いです。そのため、ある程度の知識やスキルはあったほうがいいかもしれません。
ですがこれは看護の基本という意味であって、訪問看護に関する知識などは就業してからいくらでも身につけることはできます。
びび
訪問看護への転職方法|求人の探し方
訪問看護の求人を効率よく探したいということであればハローワークや転職サイトといった転職支援サポートを利用することをおすすめします。
ここでは皆さんの状況に応じてどういったサポートを利用すべきか解説していきたいと思います。
初めて訪問看護で働く場合
おそらくこの記事を読んでくださっている人は初めて訪問看護への転職を考えているという方が多いのではないかと思います。同じ看護の仕事でも病院とは違う部分がたくさんあるので不安も大きいと思います。
びび
紹介予定派遣の最大のメリットは派遣看護師として働いてみてよかったら就職すればいいし、嫌なら辞められるというところです。
訪問看護という仕事が自分に合っているかどうかはやはり働いてみないとわからないと思います。ですが転職した後に「やっぱり合わないから辞める」というのは非効率ですよね。
はぴこ
そういったリスクをなくせるのが紹介予定派遣です。
「普通に派遣で働けばよくない?」
と思う方もいるかもしれませんが、訪問看護は派遣では働けません。(理由は「派遣看護師とは?」で解説しています。)
そのため「ちょっと様子見で働いてみたいなぁ」という場合は紹介予定派遣を利用する必要があります。
転職サイトを使いたくない場合
「転職サポートツールは使いたいけど転職サイトは使いたくない」という方もいると思います。そういった方にはこちらの記事がおすすめです!
僕は転職サイト推奨派なので転職サイトを利用しますが、ここで紹介している3つのツールも利用します。なぜなら良い転職先を見つけられるか否かは情報収集がすべてだからです。
そのため使えるツールはすべて利用して情報収集を行います。
びび
通したい条件や給与に関して交渉を行いたい場合
- 土日祝は休みたい
- 保育園の迎えがあるから16時であがりたい
- パート希望だけど社保に入りたい
- オンコールは持ちたくない
このような様々な条件を通したい場合は転職サイトを利用することをおすすめします。
びび
条件の交渉はすべて担当コンサルタントが行ってくれるというのも魅力の一つです。
「オンコールは持ちたくない」
「土日祝は休みたい」
などの条件て、結構言いづらかったりしませんか?そういったこともすべてコンサルが対応してくれます。
びび
前述していますが、訪問看護の場合、民間会社や個人で経営しているところも多いので交渉次第で給料は結構変わります。求人票に書かれている給与は最低限のものがほとんどですからね、交渉もせずにその給与で納得してしまったら会社の思うつぼです。
はぴこ
自分で交渉できる方は良いのですが、言いづらいという方はキャリアコンサルタントに任せることをおすすめします。
どのツールを使っても良いのですがやはり求人は見極める必要があります。
びび
ブラックを避けるためには転職サイトでの情報収集も大事かなと個人的には思います。
終わりに
最後に一言。
学生の頃みんなが抱くような看護観に近しいことをできるのは病院ではなく在宅のような気がします。なんとなく最初って病院に就職しがちだけど、「なんか違う」と思ったら在宅やってみて。
— ナースマンびび@看護師ブロガー (@nursemanvivi) 2018年12月21日