2回目の就職を考えている看護師の皆さんへ

病院以外の仕事【産業看護師】の特徴|企業勤務に向いている看護師とは?

病院以外の仕事が知りたい!
企業勤務ってどんな感じ?

産業看護師に向いている看護師って?

この記事ではこういった疑問についてお答えしていきます。

産業看護師は企業看護師とも呼ばれ、病院やクリニックではなく病院以外の一般企業に属し、その企業で看護の専門性を活かした業務にあたる看護師のことを言います。

びび

企業で働く看護師の仕事には以下のような職場があります。
  1. 企業の医務室
  2. 治験コーディネーター(CRC)
  3. 臨床開発モニター(CRA)
  4. コールセンター看護師
  5. フィールドナース

看護師資格を活かせる病院以外の仕事について知りたい!と考えている方はぜひ参考にしてみてください。ではさっそく見ていきましょう!

病院以外の仕事は他にもたくさんあります、こちらの記事もぜひ♪

はぴこ

病院以外の仕事
⒈企業の医務室勤務

企業の医務室勤務の画像

企業の医務室は突発的な病気・怪我の対応から社員のメンタルサポートまで幅広い業務を担うこととなります。

医務室勤務は必要な看護師数がさほど多くなく、ポストが空きにくいため競争率の激しい仕事です。

就業場所・企業の医務室
・企業の診療所
・健康管理室 等
給与平均年収450万~550万円
業務内容・職員の健康管理
・職員のメンタルサポート
・健康診断の実施
・保健指導
・体調不良者の対応
特徴・デスクワークがメイン
・1人勤務が多く、気が楽
・残業なし夜勤なし

ひとくくりで“医務室”と書きましたが、細かく言うと医務室や診療所、健康管理室など様々な部署があり、企業によって変わります。各部署の特徴は下記の通りです。

企業の医務室

企業の医務室は学校の保健室をイメージしてもらえればいいかと思います。医務室は1人勤務であることが多く、ベッドも1.2個置いてある程度です。

社員の体調不良時や怪我の際に対応します。

企業の診療所

診療所はその名の通りクリニックです。企業内のクリニックに勤務するとイメージしてください。

医師や薬剤師が常駐していることも多く、主に生活習慣病などの成人に多い疾患の対応にあたります。

健康管理室

健康管理室は病気や怪我の対応、社員のメンタルサポート、健康診断など、幅広い業務を担います。

診療所のように医師が常駐していることもあり、企業内の保健医療に関して大きな役割を果たすこととなります。


保健室のようなイメージと書きましたが対象者は子供ではなく成人です。仕事によるストレスや生活習慣病など、成人の特徴をとらえた対応が必要となります。

病院ではないため突発的な病気や怪我の対応はそれほど多くありません。デスクワークがメインで夜勤もないため身体的負担は少ない仕事です。

保健指導が業務にある職場の場合、保健師の資格があると就職に有利な可能性があります。メンタルサポートが主な業務の場合、カウンセラーの資格や精神科看護での経験があると強みになるでしょう。

びび

逆に傷病者の対応が多い職場では臨床経験が重視される場合もあると思います。

産業看護師の仕事に向いている看護師とは?

産業看護師は保健師として従事したことのある看護師に特に向いていると言えます。しかし臨床経験が全くないと体調不良者の対応は困難なため、ある程度経験のある看護師が求められるでしょう。

  • 高収入を目指したい
  • 夜勤、残業なし
  • 看護師としての経験を企業で活かしたい

という看護師におすすめです。

病院以外の仕事
⒉治験コーディネーター

治験コーディネーター(CRC)の画像

治験コーディネーター(CRC)は医療機関や製薬会社、患者の間に立ち、新薬の有効性を確かめる治験がスムーズに実施できるようサポートする仕事です。

SMOか病院のどちらかに所属して働くことになります。

SMOとは
治験が行われる病院から依頼を受けて治験をサポートする治験施設支援機関のこと。
就業場所・SMO(治験施設支援機関)
・病院内
給与年収500万~800万円
業務内容・治験の準備・資料の作成
・報告書の作成
・検査データの管理
・患者(被験者)の対応
・医師への報告・連絡 等
特徴・PCが使えると強み
・コミュニケーションスキルが必要
・身体援助はない

治験コーディネーターになるには特別な資格は必要ありません。ですが医療系の資格(看護師等)を取得していると優遇される場合があります。

業務は資料や報告書の作成があるため、パソコンが使えると作業効率が上がります。また、治験コーディネーターは被験者の対応が多く、医師とのコミュニケーションも必須なので、ある程度のコミュニケーションスキルは必要となります。

びび

平均年収は高めで、業績によって年収アップのチャンスが多いのが特徴です。

治験コーディネーター(CRC)の仕事に向いている看護師とは?

治験コーディネーターは病院での仕事が多くなりますが、看護師のメイン業務である身体介護や移乗動作を行うことはありません。夜勤もなく、デスクワークが多いため身体の負担はかなり軽減できるはずです。

医療機関や被験者、製薬会社との間で調整する役割を担うため、コミュニケーション能力も求められます。治験コーディネーターは

  • コミュニケーションスキルがある
  • PCスキルがある
  • 身体的に楽な仕事がしたい

という看護師におすすめです。

病院以外の仕事
⒊臨床開発モニター

臨床開発モニター(CRA)の画像

臨床開発モニター(CRA)は新薬を開発している製薬会社の依頼により、治験がルールに則って実施されているかモニタリングを行う仕事です。

臨床開発モニターはCROで働くこととなります。

CROとは
新薬を開発している製薬会社から依頼を受けて治験をサポートする企業のこと。
就業場所CRO(治験をサポートする企業)
給与年収600万~1000万円
業務内容・治験の準備
・治験のモニタリング
・治験薬の引き渡し
・報告書の作成 等
特徴・出張が多い
・CROは都心が多い
・平均年収は高め

臨床開発モニターになるには特別な資格は必要ありません。ですが医師や製薬会社との関わりが多いため、看護師・薬剤師・MR等の資格があると優遇される可能性があります。

びび

さらに英語スキルがあると国際共同案件に参加できたりするので、仕事の幅が広がったり収入アップにつながります!

臨床開発モニターとして就職するCROは大手製薬会社の近くに会社を構えていることが多く、地方に在住の場合、通勤の面で就職が厳しい可能性があります

業務の流れは病院で治験モニタリングを行い、CROで報告書作成といった流れが主です。出張が多いため、

  • 子供が小さく長時間離れられない
  • 両親の介護がある

など、家から離れることが困難な状況の場合は就業前に事情を説明しておいた方が良いかもしれません。

臨床開発モニター(CRA)の仕事に向いている看護師とは?

モニタリングは正確に行う必要があるため倫理観のある人が求められます。医師や製薬会社とのやりとりもあるためコミュニケーションスキルもある程度必要です。

また出張が可能で、都心のCROへの通勤が可能でなければなりません。臨床開発モニターは

  • 倫理観・コミュニケーションスキルがある
  • CROへの通勤可能
  • 出張が多くても家庭への影響が少ない

という看護師におすすめです。

病院以外の仕事
⒋コールセンター

コールセンターの画像

コールセンターで働く産業看護師は、その名の通りコールセンターに待機し電話応対をメインに行う仕事です。

就業場所各企業のコールセンター
給与年収400万~450万円前後
業務内容・健康相談
・医療機器メーカーでの対応
・保険会社での対応 等
特徴・人間関係で消耗しない
・精神的には疲れる
・夜勤ありの職場もある

健康相談に関しては悩んでいるユーザーも多いため根気よく傾聴することが重要です。カウンセラーや精神科看護の経験があると強みになるでしょう。

顧客対応がメインの業務となるため、職場の人間関係で消耗することはほとんどありません。ですが様々な顧客がいるため、対応による精神的ストレスが生じる可能性はあります。

びび

夜間対応のあるコールセンターでは夜勤が求められる場合もあります。

コールセンターの仕事に向いている看護師とは?

コールセンターでの対応は、対応する内容に関しての知識を備えている必要があります。例えば健康相談に関してであれば、ある程度の臨床経験は求められるでしょう。

  • 企業が求めるコンセプトに長けている
  • 24時間体制の場合、夜勤も可能
  • 精神的にタフ

という看護師におすすめです。

病院以外の仕事
⒌フィールドナース

フィールドナースの画像

フィールドナースはクリニカルコーディネーターやクリニカルスペシャリストとも呼ばれます。医療機器メーカーに属し、自社製品の操作説明や営業活動のフォローを行っていきます。

就業場所医療機器メーカー
給与年収500万~800万円
業務内容・自社製品の営業
・製品の説明
・プレゼンテーション
・デモンストレーション
・アフターケア
特徴・英語が話せると強み
・土日祝は休みやすい
・出張が多い

フィールドナースの主な業務は所属する企業製品の売り込みです。

自社製品の特徴やメリットをわかりやすくまとめ、顧客に対しプレゼン・デモンストレーションを行います。納品後の指導や、使い方の勉強会等もフィールドナースの業務となります。

びび

医療機器メーカーは外資系の企業が多いのも大きな特徴です。

そのため英語力があると非常に有利です。また外資系企業は実力成果主義であることが多く、頑張り次第では経験年数に関係なく年収をアップさせることも可能です。

ちなみに消化器内視鏡で世界トップの医療機器メーカー【オリンパス株式会社】社員の平均年収は847万円(金融庁EDINET|有価証券報告書より)とのことです。

医療行為がないから、医療事故などの精神的ストレスから離れられるのもメリットね!

はぴこ

フィールドナースの仕事に向いている看護師とは?

所属する企業によっては年収が800万円クラスの人もいるのがフィールドナースです。

  • 自分の英語力を活かしたい
  • 頑張りが評価される仕事がしたい
  • きちんと休める職場がいい

という看護師に向いています。

産業看護師のメリット・デメリット

産業看護師のメリットデメリットの画像

産業看護師は体力的に不安があったり私生活を充実させたい看護師には、とてもメリットがある仕事です。

産業看護師の仕事は「病院から離れている」というところが大きなポイントになります。病院で働くデメリットが産業看護師のメリットになっている部分が多いですね。

1つずつ見ていきましょう!

産業看護師のメリット

体力的な負担がかなり軽減できる

産業看護師はデスクワークがメインです。病院や施設と違って患者の車椅子移乗や、入浴介助といった身体的に負担の多い業務はありません。

病院勤務だと常に動きっぱなしで椅子に座れるのは看護記録の時くらいだもんね…

はぴこ

びび

企業に属する看護師であれば椅子に座る時間も確保できるよ!

また、夜勤がないという点も身体的な負担はかなり軽減できるポイントだと思います。産業看護師は企業の会社員なので基本的に夜勤はありません。

夜勤てほんとに体力消耗しますからね…

日勤・深夜とかだとほとんど休めずに夜勤入りなんてこともざらなので、それがないというのは身体的にはとても楽じゃないかと思います。

びび

こういった点は病院以外で働くメリットと言えますね!

土日祝が休める可能性が高い

一般企業は土日祝が休みのことが多いので私生活を充実させやすいです。

常に看護師不足の医療機関では年間休日も少なく、有給休暇も捨てざるを得ない病院も多いですよね。企業で働く場合はそのようなことはなく、しっかりと休暇をとれるのが利点です。

医療事故のリスクが少ない

産業看護師はデスクワークが多く、看護的な業務があったとしても健康診断や保健指導がメインです。そのため、医療事故を起こすリスクはかなり低いと言えます。

これも病院以外で働く産業看護師のメリットと言えます。

業績評価を受けやすい

病院でも業績評価を導入しているところは多いと思いますが、実際に形だけで収入にあまり反映されてないこともありますよね。認定看護師などの資格があっても手当がつかないこともあり、仕事のモチベーションが上がらないのが病院勤務です。

企業勤務では個人の能力や頑張りはわりと評価されやすく、それが収入に直結するのでモチベーションを保ったまま仕事を続けることができます。

産業看護師のデメリット

産業看護師のメリットは病院から離れられることで得られるものが多かったと思いますが、それが逆にデメリットにもなり得ます。

企業で働く看護師のデメリットを見てみましょう。

看護師としてのスキルの低下

病院以外で働くと、どうしても医療行為とは疎遠になります。

  • 検査の介助
  • サーフローの静脈留置

など、現場から離れるとこういった看護の仕事からも遠ざかることになるんですよね。

また、医療というのは日々進歩しているので、少しの離脱であっても最先端の医療から取り残される可能性が高いです。

確かにこういった点は病院以外で働くデメリットかもしれないわね。

はぴこ

ビジネスマナーを覚える必要がある

病院看護師ってわりと強気なナースが多いですよね。企業に属した場合、皆さんはただの職員であり看護師というのは関係ありません。

  • 挨拶ができない
  • マナーが悪い
  • コミュニケーションがとれない

という人材は業務に支障が出る可能性があります。TPOに合わせた服装や名刺交換の方法など、いわゆるビジネスマナーは最低限身につけておく必要があるでしょう。

年収が下がる可能性がある

メリットで「業績評価を得やすい」と書きました。

その業績評価がプラスの方に出ればいいのですが、マイナスに出ることもありますよね。減給はないとしてもプラスにならないとなれば夜勤手当がない分、病院勤務時より年収が下がってしまう可能性もあるかもしれません。

びび

給与面に関してはしっかりリサーチしてから就職したほうがいいでしょう。

では産業看護師の年収はいくらくらいなのでしょうか。産業看護師の給料事情について調べてみました。

産業看護師の年収は?企業ナースの給料事情

産業看護師の年収は?企業ナースの給料事情の画像

メリットで「業績が給料に反映やすい」、デメリットでは「看護師年収より下がる可能性がある」と書いてしまったので「どっちやねん」と思う人も多いかと思います。

基本的には一般的な看護師の年収448万円(平成30年賃金構造基本統計調査)より、やや高めかなと思っていただいていいと思います。平均すると

500万~600万

が相場のようです。

ここで一つお伝えしたいのは、病院勤務の場合、あの激務をこなして448万ということです。「激務」には当然、夜勤や残業が含まれます。

一方で産業看護師の場合は夜勤はなく休みもきちんと取れる。そのうえ、給料もある程度もらえるわけです。

びび

比較してみるとコスパは圧倒的に産業看護師の方が上ということがわかると思います!

産業看護師になるには?企業求人の探し方

産業看護師になるには?の画像

産業看護師として働くために特に取得しておかなければならない資格はありません。

ですが、持っていると就職に有利になる可能性のある資格や、業務で重宝するスキルはいくつかありますので解説していきます。

持っていると就職に有利になる可能性のある資格

保健師

産業看護師=保健師資格取得者ではありません。

ですが保健師資格を持っている産業看護師はかなり多いです。というのも業務内容に「保健指導」などが入ってくる仕事もあるため、保健師は就職時に優遇される可能性が高いです。

産業カウンセラー

看護師の業務は身体的なケアだけでなく、精神面のケアも含まれますよね。

産業看護師の業務にもメンタル面のケアが求められることが多く、そういった際に産業カウンセラーの資格や、精神科看護での経験が優遇される可能性があります

持っていると重宝するスキル

パソコンスキル

産業看護師はどの仕事においてもデスクワークがかなり多いです。デスクワークが多いということはパソコンが使えた方が時短にはなるでしょう。

  • 資料
  • データのまとめ
  • 報告書

など、作成すべき文書がわりと多いのが産業看護師業務の特徴です。PCが使えなければ働けないというわけではありませんが、使えた方が良いとは思います。

英語力

例えば医療機器メーカーに属する場合、医療機器メーカーは外資系の会社が多いため公用語が英語だったりすることもあります。

英語力は必須ではありませんが、就職する会社によって必要な場合もあるかもしれないので事前に確認しておくとよいでしょう。

びび

「私は英語力を活かしたい!」という方は外資系の医療機器メーカーが勤務がおすすめです!

コミュニケーションスキル

これは産業看護師に限ったことではありませんが、コミュニケーションスキルはわりと大事です。CRCやCRA、コールセンターの勤務では特にコミュニケーション力が問われるでしょう。

また、看護師が意外と苦手なのがビジネスマナーです。産業看護師は企業勤務なので基本的なビジネスマナーも必要となります。全くわからないという人はある程度勉強しておく必要があるでしょう。

産業看護師求人の見つけ方

産業看護師になるには個人で転職活動するだけでなく、転職エージェントも同時に利用することをおすすめします。

理由
産業看護師のメリットは非常に魅力的なのに対し、求人はわりと少ない。そのため倍率が高く個人で転職活動するには限界がある

びび

以前に看護協会が調査した結果によると産業看護師は看護師全体の1%未満とのことです。

本気で産業看護師を目指すのであれば、あらゆるツールを利用した方がいいでしょう。もし利用するのであれば下記の転職エージェントがおすすめです。(サイト名をクリックすると公式ページへ遷移します)

看護のお仕事
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ナースフル
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以上で産業看護師に関しての解説は終わります。病院以外の仕事を探している看護師の方はぜひ産業看護師も候補に入れてみてください!

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